【令和7年度入試】宮崎農業高校 地区実力テスト分析|超難化テストのボーダーラインをどう見るか?
令和7年6月実施の地区実力テスト、本当にお疲れ様でした。今回の分析は、当塾のデータに加え、市内の学習塾様から提供された情報も参考にさせていただいております。
まず、今回の分析を見る前に絶対に知っておいてほしいことがあります。それは、今回のテストが「超」がつくほど難しく、平均点が例年より著しく低いということです。
今回の地区全体の平均点は213.5点でした。これは例年の平均点(240点~260点台)より30点以上低い数値です。
したがって、この記事に記載する目安点数は、あくまで「今回の非常に難しいテストにおける」ものです。この点数を取れば本番の入試に合格できる、という意味では決してありません。
本番の入試は、今回より易化することが予想されるため、合格にはさらに高い点数が必要になることを必ず念頭に置いて読み進めてください。
宮崎農業高校 学科別分析サマリー
それでは、宮崎農業高校の学科ごとの状況を見ていきましょう。現状の志望者数と、今回テストでの合格の目安となる点数をまとめました。なお、合格の目安となる点数は、当塾および協力塾の生徒の成績データや長年の経験則を基に、独自に算出したものです。
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学科名 | 募集定員 | 志望者数 | 暫定倍率 | 合格の目安点(今回テスト) |
---|---|---|---|---|
食品工学 | 40名 | 55名 | 1.38倍 | 約180点 |
生活文化 | 40名 | 96名 | 2.40倍 | 約190点 |
生物工学 | 40名 | 38名 | 0.95倍 | 約110点 |
環境工学 | 40名 | 38名 | 0.95倍 | 定員未達 |
生産流通 | 40名 | 10名 | 0.25倍 | 定員未達 |
目安点の数字だけを見てはいけない理由:『スライド合格』の仕組み
この表を見て、「環境工学や生産流通は定員割れだから簡単だ」「生物工学は110点くらいでいいのか」と思った方は要注意です。その考えが、農業高校入試の最大の落とし穴です。
宮崎農業高校は、最大で第3志望まで出願できます。これにより、「スライド合格」という現象が起こります。
例えば、倍率の高い食品工学科などを第一志望にした生徒が不合格になった場合、彼らが第二・第三志望に書いていた学科に合格者としてなだれ込んできます。
重要なのは、スライドしてくる生徒は、元々人気学科を目指していた学力上位層だということです。その結果、たとえ定員割れしている学科でも、彼らによって合格ラインが大幅に引き上げられてしまいます。
生物工学の目安点が約110点と低く出ていても、決して油断はできません。この学科にはスライド合格を見越した、本来の実力はもっと高い生徒層が出願している可能性があるからです。
結論:宮崎農業高校に合格するために本当に必要なこと
では、どうすれば良いのか。結論はシンプルです。
- 人気学科(食品工学・生活文化)志望者:
目安点はあくまで最低目標です。本番では、今回の難しいテストの点数にプラス30点~40点は上乗せするつもりで学習計画を立てましょう。 - その他学科(生物工学・環境工学・生産流通)志望者:
「定員割れ」という言葉に絶対に安心しないでください。本当のライバルは、人気学科からスライドしてくる高得点層です。まずは地区平均(213.5点)を安定して超えることを目標にし、そこから更に実力を伸ばす必要があります。
澤塾個別清武校では、こうした複雑な入試制度と、一人ひとりの現在の学力を掛け合わせ、最も合格可能性の高い受験戦略を一緒に考えていきます。今回の結果に不安を感じた方は、ぜひ一度ご相談ください。