【令和7年6月実施】宮崎工業高校 全学科の実質ボーダーラインは?地区実力テストを澤塾が徹底分析
先日返却された「地区実力テスト」の結果を受け、多くのご家庭で志望校の最終判断に向けた動きが本格化している頃かと存じます。
今回は、宮崎工業高校の分析をお届けしますが、特にこの高校は学科が多く、第3志望まで出願できるため、表面的な倍率だけでは本当の難易度は測れません。
そこでこの記事では、成績表の情報や地域の学習塾様との情報交換などを基に、「スライド合格」の仕組みを考慮した各学科の実質的なボーダーラインに踏み込んで解説していきます。
まず、今回の分析を見る前に、絶対に知っておいてほしいことがあります。それは、今回のテストが「超」がつくほど難しく、平均点が異常に低いということです。
例年この時期の地区実力テストの平均点は240点~260点台ですが、今回は「213.5点」と、例年より20点~40点も低い状況です。
ですので「目標点に全然届かなかった…」と落ち込む必要は全くありません。本当に重要なのは、この厳しいテストの中で、志望校のライバル達と比べてどの位置にいるかです。この後の分析は、その点を念頭に置いてご覧ください。
最初の志望倍率と「スライド合格」の仕組み
まず、現時点での正確な暫定倍率を見てみましょう。
学科名 | 募集定員 | 志望者数 | 現時点の倍率 |
---|---|---|---|
建築科 | 40名 | 68名 | 1.70倍 |
電気科 | 40名 | 66名 | 1.65倍 |
機械科 | 40名 | 56名 | 1.40倍 |
インテリア科 | 40名 | 45名 | 1.13倍 |
電子情報科 | 40名 | 41名 | 1.03倍 |
生産システム科 | 40名 | 19名 | 0.48倍 |
化学環境科 | 40名 | 15名 | 0.38倍 |
この表を見ると、生産システム科や化学環境科は定員割れで簡単そうに見えます。しかし、ここに「スライド合格」の罠があります。建築科や電気科で不合格になった生徒(合計で70名以上!)のうち、第2・第3志望で生産システム科や化学環境科を書いていた生徒が、その高い得点を持ったまま流れ込んできます。その結果、元々定員割れの学科を志望していた生徒が押し出される「玉突き現象」が起こるのです。
【スライド考慮版】各学科の実質的なボーダー得点
この「玉突き現象」を踏まえた、より現実に近い最終ボーダーラインの予測は以下の通りです。
1. 建築科・電気科・機械科(超激戦区)
この3学科は、スライドで他から生徒が入ってくることは考えにくいため、純粋に志望者の中での上位40名に入る戦いとなります。
・建築科のボーダーは約180点
・電気科のボーダーは約170点
・機械科のボーダーは約160点
これらが、今回の難しいテストにおける一つの実力ラインとなるでしょう。
2. インテリア科・電子情報科(ボーダーラインの分岐点)
この2学科も倍率は1倍を超えており、厳しい戦いです。
・インテリア科のボーダーは約160点
・電子情報科のボーダーは約150点
特に電子情報科の約150点というラインが、宮崎工業高校全体の実質的な最低ラインになる可能性が極めて高いです。
3. 生産システム科・化学環境科(隠れ激戦区)
ここが最も注意すべき学科です。現時点では大幅な定員割れですが、最終的なボーダーは両学科ともに約150点まで上昇すると予測します。建築・電気・機械科などからスライドしてくる160点~170点台の生徒達で空き定員が埋められてしまうためです。初期倍率に惑わされず、電子情報科のボーダーである約150点を目標に学習する必要があります。
結論として、今年の宮崎工業高校は「どの学科も簡単には入れない」ということです。たとえ現時点で定員割れの学科を志望していても、最終的には今回のテストで最低でも150点の学力がなければ、合格は難しいと考えられます。
まずはこの現実をしっかりと受け止め、「目標点との差を埋めるために、2学期以降何をすべきか」を具体的に計画し、実行に移しましょう。この記事が、そのための冷静な現状分析の一助となれば幸いです。