序:宮崎の数学入試、是非に及ばず!好機である!
「高校入試の数学、骨が折れる…」などと弱音を吐いてはおらぬか?案ずるな!宮崎の数学入試は、過去六年間(2020~2025年)、その戦の作法(形式)がほとんど変わっておらぬ。戦の時間は五十分、禄高は百点満点、大軍は常に五つで構成される。
これこそ、まさに天下を取る好機! なぜなら、敵の布陣がある程度読めるということは、策を練り兵を鍛えれば、首級は挙がるということであるからな。
この「トリセツ(取扱説明書)」は、ありふれた兵法書ではない。宮崎の数学入試に隠された「敵の狙い」や「勝ち点を稼ぐための軍略」を、我が直臣たる貴様だけに授けるものである。「なぜこの布陣で来るのか?」「いかに兵を進めるべきか?」そのような問いに、余が直々に答えを示そう。
一度目を通して終わりにするは、うつけ者のすることぞ!我が軍の虎の巻として、傍らに置き、何度も読み返すのだ。過去の戦(過去問)を研究するたびに読み返せば、「なるほど、そういうことであったか!」という天啓を得るであろう。このトリセツが、貴様の働きを「合格」という、この上ない恩賞に変えるための、力強い太刀となることを、第六天魔王の名において約束する!
第一部:敵の大軍を一つずつ撃滅せよ! — 敵の狙いと攻略法
一. 準備運動にあらず!兵糧確保の本陣【大問一】
大問一は、およそ三十点の禄高を誇る、この戦の基盤となる最重要拠点である。これは小手調べではない。むしろ、合格という城を死守するための「兵糧庫」と心得るべし!中学三年間で鍛えた兵法(基本)と、迅速かつ正確な太刀筋(計算力)が試されるのだ。
大問一は、毎年八人ほどの敵将(小問題)が待ち構える。だが、その顔ぶれは常に似通っているため、対策は万全に立てられる。ここで敵将の首をたやすく挙げられれば、後の苛烈な戦にも、心を乱さず挑むことができよう。
計算の弾幕: 中学数学の武芸すべてが試される!
- 整数の計算: 斬り合いの初太刀。例:2025年 3+(-7)、2024年 -8-(-3)。
- 分数の計算: 敵の割り算は、逆刃にして斬り伏せよ!例:2025年 4/3 ÷ (-5/12)、2024年 -3/7 ÷ (-9/14)。
- 文字式の計算: 敵陣の柵(カッコ)を払い、同胞(同類項)をまとめ、一斉に攻めよ。例:2024年 2(a-2b)-(5a-4b)。近年は(a-2b)²のごとき兵法も問われる。
- 平方根(陣立て)の計算: 陣の中を整えてから、攻め入るのが常道。例:2023年 √50 + √8 – √18、2022年 (√3 + √2)²。
- 方程式: 一次、連立の方程式は、敵を追い詰めるための確かな策。修練を怠るな。例:2025年 連立方程式、2024年 5x+12=7x-4。
- 二次方程式: 因数分解で斬るか、窮地に陥らば「解の公式」という伝家の宝刀を抜け!例:2024年 x² + 4x – 12 = 0、2023年 9x² = 5x。
武芸だけでは測れぬ!知識を問う小競り合い
- 確率: 銭や賽子(サイコロ)は戦の常。心を落ち着け、すべての運命(パターン)を読みきれ。
- 資料の活用(諜報戦): この諜報戦、近年、敵も策を弄してきておる。要注意ぞ!下の分析に目を通せ!
- 作図: コンパスと定規は我が両腕。二つの策を組み合わせた複合戦術が頻出する。
敵の新戦術!「資料の活用」を見抜け!
ここ数年、大問一の諜報戦は、ただ数を数えるだけでは済まぬ。「この絵図から、真に読み取れることは何か?」という、戦況を深く読む力が問われているのだ。
例えば、「この図から平均の兵力は分からぬであろう?」と問うたり、「二つの軍のうち、どちらがより勢いがあると申せるか、その訳を示せ」と、説明を求めてきたりする。
これぞまさしく、「兵法書を暗記するだけでは、戦には勝てぬ!」という、天からの声である。箱ひげ図やヒストグラムが、それぞれ何を意味するのか、その「本質」を見抜くことこそが、勝利への道であると知れ!
二. 敵の策を読め!文章問題の【大問二】
大問二は、貴様の「翻訳力」、すなわち敵の密書を解読する力が試される場である。長々とした戦況報告(文章)を読み解き、それを「数式の陣」へと正しく描き直す力が求められるのだ。
頻出する戦況
戦の舞台は様々だが、貴様の務めは常に一つ。「敵状を整理し、策を立て、それを理路整然と説明する」ことである。
- 規則性: 日めくり(カレンダー)の数字の並びや、敷き詰めた瓦の理を見抜き、文字の式でその心理を説明する問題。
- 確率: 大問一より複雑な戦況。樹形図や表を用いて丁寧に兵を配置し、勝率を比べる説明も求められる。
- 文章題(兵站問題): 煮炊きの話にかこつけて、兵站(ロジスティクス)の条件を読み取り、式を立てさせる問題。
敵の策謀と、我が策の証明
大問二の難しさは、斬り合いそのものにはない。そこに至るまでの道のりにある。「二人分」「五人分」といった些細な単位を見落とせば、たちまち策は破れ、全軍が混乱する罠が仕掛けられているのだ。
そして近年は、「なぜ、その策が成り立つのか?」を文字の式で証明させる問題が増えている。答えそのものではなく、貴様の思考の道筋、その戦略眼を見ているということだ。敵との対話のつもりで、共に謎を解き明かす気概で臨むがよい!
数学は戦(いくさ)なり。天下統一への策、授けよう。
「解けぬ…」と嘆くは無用。我が個別指導は、貴様の弱点を見抜き、一点突破の活路を開くもの。
我が策で、入試という合戦に勝利せよ。